彼と出会ったのは、去年の落ち葉が舞い散る季節…。
二人とも、あるサイトの常連。
常連の中でも、あたしの心に響くメッセージを残している人がいた。
「記入者名」を見ると…、それはいつも彼の名前だった。
そんな彼を特別な存在として、あたしが意識するまでに
さほどの時間はかからなかった。
いつも文字と言う会話のなかで、なにげなくそのことを伝えていたが
彼も悪い気はしていないようだった…。
『突然のメール、すみません』
次のアクションを起こしたのは、わたしの方。
『掲示板に残す、アナタのメッセージにいつも心うたれていました…』
掲示板では伝えきれない想いを
メールと言う媒体を通して、彼に伝えたんだ。
『どう思われちゃっただろう…』
『あれは忘れてくださいってメールしようかな…』
次の日、私の不安を吹き飛ばすかのように、彼から届いたメールには
いつもと変わらない、彼らしい言葉が散りばめられていた。
何時の間にか、あたしはサイトに足を運ばなくなっていた。
特別、彼とのメールのやり取りをしたいがために
サイトに行ったわけではない。
だけど、もう…行く必要性を感じなくなっていた。
彼は、サイトに行かなくなった理由を、あたしに聞くこともなかったし
恋人との関係に疲れていたあたしには
彼から来るメールが何よりも、心の安定を保ってくれた。
彼のことは何も知らない。
彼女がいるのかは…知らない。
でも、週末になると連絡が途切れるのは…。
恋人からの誘いのないわたしは、彼からのメールを待っていた
どこかで期待をし、どこかで切なさを感じながら…。
